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入社しておよそ半年 ― 新入社員が「自分の会社」を語りはじめるまで

2026-09-12

先日、当社の新入社員が、愛媛県中小企業家同友会の「新入社員フォローアップ研修」に参加しました。8社の新入社員が集まり、朝から夕方まで一日をかけた研修です。講師は、合同会社EIS 代表の西村友祐さんでした。

4月の新入社員研修から、およそ半年。あの頃の私は、正直なところ「まだこれから教えてもらう側だな」という気持ちで送り出していました。

研修のあと、本人に7つほど質問を渡して、思ったことを書いてもらいました。そこに書かれていた言葉が、こちらの想像より、ずっと先に進んでいました。

研修会場のようす(ご本人以外の方の顔にはモザイクをかけています)

講師は、当社の採用を一緒につくってきた方でした

西村さんは松山市で、教育と、採用・就職・転職の支援をされています。愛媛の学生に向けた企業紹介の冊子やアプリ、無料で学べる「リスキル大学」など、人が育つ側と、人を採る側の両方に手を入れておられる方です。

当社にとっては、研修の講師である前に、採用を一緒につくってきた相手です。当社の採用サイトも、言葉の選び方も、西村さんと相談しながら形にしてきました。

外から見た当社の魅力を言葉にするのが西村さんの役割で、入っていただいたあとにそれを本当にするのが私たちの役割だと思っています。

その西村さんが、当社の新入社員に半年後の場で向き合ってくださった。私にとっては、少し特別な一日でした。

スクリーンを見ながら受講するようす

「自分の会社」を、自分の言葉で書いた

研修では、自分の会社の強み・弱み・機会・脅威を書き出すワークがあったそうです。いわゆるSWOT分析です。

本人(K.M.さん)が書いたのは、こうでした。

強み:インフラを支える仕事
弱み:3Kの印象が根強い
機会:災害復旧工事などにモルダム施工
脅威:人員不足

半年前に入ってきた社員が、自社の弱みとして「3Kの印象」を挙げ、脅威として「人員不足」を挙げた。私は、これを読んで少し背筋が伸びました。きれいごとを書いていないからです。

書きながら思ったことも、こう書いてくれていました。

会社が悩んでいることはなんだろう、私だったらここが気になるなど想像しながら書きました。

会社が「知らない場所」から「自分がいる場所」に変わりつつある、ということだと私は受け取りました。

半年で、本人がいちばん変わったと感じていること

4月と今とで何が変わったかという問いに、本人はこう書いていました。

少しずつですが業務にも慣れてきて、社員の方達とも打ち解けてきた気がしますが、まだ自分にできることが少ないので、落ち込むことがあります。

そして、こうも続いていました。

4月の自分はまだ学生気分がほとんどで意識が低かったのですが、今は責任感から少しの失敗もないように慎重になった気がするので考え方が変わったような気持ちです。

私は、「落ち込むことがあります」の一行を読んで、手が止まりました。

別の問いへの答えには、「この半年でできるようになったこと」として、業務の優先順位を自分で考えて確認できるようになったと書いてあるのです。どれが急ぎで、次に何をするかを考えながら動けるようになった、と。

できるようになっている。けれど、本人にはそれが見えていない。

私たちの側が、いちばん反省したところ

「上司や先輩から言われて覚えている言葉はありますか」とも聞きました。返ってきたのは、この言葉でした。

失敗を恐れていては何も成長しないよ

誰が言ったのかは聞いていません。ただ、その一言を、本人はこうして覚えている。

忙しいときの返事の仕方。すれ違いざまの一言。注意したときの言い方。こちらは覚えていなくても、向こうは覚えている。教育とは、研修の日だけに起きるものではなく、毎日の何気ないやり取りの積み重ねなのだと、あらためて突きつけられた気がしました。

だから私たちの側の宿題は、はっきりしています。できていないことを指摘するのと同じ熱量で、できるようになったことを、言葉にして本人に伝えること。照れくさくても、そこを省かないことです。

「当たり前にできる」まで持っていく

研修の締めくくりは、「頑張った時だけできる状態」ではなく、「正しいやり方を覚え、繰り返すことで、当たり前にできる状態」を目指そう、という話だったそうです。

これは、私たちの仕事そのものだと思いました。

法面の上で、足場の上で、「今日は頑張ったからできた」では困るのです。安全も、段取りも、品質も、頑張らなくても当たり前にできるところまで身体に入って、はじめて一人前になります。半年で届くものではありません。だからこそ、繰り返せる環境をこちらが用意しなければならない。

最後に、「明日から職場で小さく始めたいことは」と聞きました。答えは、その日に西村さんから教わったことでした。

西村さんが教えてくださった、名前を呼ぶを実践していきたいと思いました。挨拶する際に、〇〇さんおはようございます。と名前を前につけることにより、相手はとても嬉しい気持ちになると聞いたので実践していきたいです。

大きなことは書いてありませんでした。名前を呼ぶ。それだけです。

けれど、半年働いた人が自分で選んだ「明日からの一歩」がこれなら、受け止めるのは私たちの番です。

入社しておよそ半年。まだ道の途中です。当社はこれからも、社外の学びの場に社員を送り出しながら、日々の現場でそれを受け止める側の力を磨いていきます。

西村さん、そして愛媛県中小企業家同友会のみなさま、ありがとうございました。


この日の講師
合同会社EIS 代表 西村友祐 さん(松山市清水町)
事業内容=教育、採用・就職・転職支援、デジタル
https://eis-reach.com/

 

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